押入れハンガー購入に見る消費者の行動分析~アナリティクスでは見えない軌跡~ WEBマーケティングコラム番外編『押入れハンガーを買った』
- 日付:
- 2016.01.23
- カテゴリー:
- ECサイト, SEO, WEBマーケティング, WEBマーケティング担当A, コンテンツ
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私事ですが、最近もっぱらDIYに精を出しています。
・開閉式の扉が壊れてしまったので修理をする
・玄関のドアの立て付けが悪くなってしまったので修理をする
・収納が足りなくなってしまったので押入れを改造して収納を増やす
・調味料が増えすぎて置き場所がなくなったので棚を作る
・ベランダのウッドデッキが割れたので板を差し替える
・ベランダの日よけが風でなくなってしまったので修理する
・靴の収納が足りなくなったので靴棚の段を増やす
いつ終わるとも知れない、ボロボロの我が家を週末直したり、手を加えたりしている訳です。
もちろんDIYとは言え、そこには消費が発生します。
ペンキを買ったり、釘を買ったり、つっかえ棒を買ったり、蝶番を買ったり、様々です。
ではその消費をする際、どのような経緯を辿っているのでしょうか。
アナリティクスではうっすらとしか見えない、ユーザー消費行動を見直すことで、販促マーケティングのヒントが見えてくるかもしれません。
n=1なので、参考になるかはわかりませんが…
今回は先週末の事例として、
「収納が足りなくなってしまったので押入れを改造して収納を増やす」
ということにフォーカスしてみます。
悩み:
・洋服が現状の収納に入りきらず、リビングやソファに畳んで置いてある
・現状の収納は大きめのタンス×2
・タンスがパンパンで、取り出したり、入れたりするのに毎回労力がいる
要望:
・本来収納スペースじゃないところの洋服をなくしたい
・タンスをスムーズに使いたい
・着替えの動線を短くしたい
■「洋服を捨てる」VS「収納ボックスを増やす」
まず考えたのは「洋服を捨てる」VS「収納ボックスを増やす」ということです。
洋服の大半は妻のものです。
ダメもとで聞いてみました。
「この辺の洋服、今流行りの断捨離してみない?」
ダメでした。
よって、「洋服を捨てる」線は無くなります。
「収納ボックス増やす」しかない訳ですが、問題はどこに増やすかです。
■「リビングに増やす」VS「押し入れに増やす」
大きな家ではありません。
リビングにタンスを増やしてしまったら、居住スペースが圧迫されます。
「この場所に置いたらどうだろうか」
「むしろベランダを簡易的に防風防塵してそこに置いたらどうだろうか」(「ベランダ改造 部屋」で検索)
というような思考を辿り、行きついた結論が、「押し入れに増やす」というものでした。
昔ながらの横幅180×奥行90×高さ170程度の押入れです。
押入れの中はさらに高くなっており、200くらいあります。
なんとなく物を詰め込んでいたのですが、どうも隙間が多くて、具合が悪い。
一度押入れの奥にしまい込んでしまったら、しばらく取り出す気も起きないイメージです。
「押し入れの中に上手いこと洋服を収納するスペースを作れるのではないか」
それからネット検索の開始です。
「押し入れ収納」
「押し入れ収納 洋服」
検索結果で何が目立つでしょうか。
そう、画像です。
最近のGoogle検索では、Googleショッピングの検索結果、画像検索結果が自然検索結果に表示されることが多くなりました。
これは便利ですね!
今一つイメージが沸かないとき、画像が出ると、
「そうそうこんな感じ!」
「あ、こんなのもあるんだ!」
とイメージが具体化されます。
WEBマーケティング的に考えると、狙っているキーワードで実際に検索した時、どんな感じで検索ユーザーがその情報を見始めるのかを確認、意識しておくことは重要かもしれませんね。
画像はサイトへの誘導にも繋がっています。
Googleショッピングの画像は購入画面に繋がるだけですが、画像検索の画像は、その画像が使われているサイトやブログへの誘導が多いです。
最近自社サイトでブログの更新等が声高に言われている理由にも関係してきますね。
僕なんかは意外と画像検索からサイトへ流入している場合が多いです。
今回の場合は、イメージを具体化させた上で、主にブログを見ていました。
ブログアフィリエーターさんのターゲットですね。
家ではPCで、通勤中にスマホで。
「こんなのどうだろう」
「このサイト面白そう」
妻との情報共有は主にLineです。
Lineを送るボタンを多用します。
※Lineで送るボタンを設置する
https://media.line.me/howto/ja/
■買うものは決まった。「じゃあ何どれを買う?」
押入れ収納のイメージが固まったら、購入です。
今回は押入れハンガーの購入をすることにしました。
ちなみに「押入れハンガー」という言葉は始めから知っていたわけではなく、検索の中で初めて知った言葉です。
実際にどのくらいの大きさなのか、質感はどうなのか、
ネット購入の際は現物を見る事ではないので、初めて買うものは何を買うにしろ不安になります。
そこで活用したのが、口コミです。
~早く届いた
~丈夫だった
~簡単に組み立てられた
~すぐ壊れた
色々な口コミがありますが、良いことが書いてある口コミは購入の後押しになります。
ECサイトで商品を販売している場合は、口コミを一覧にするのももちろん良いですが、どんな意見が多いのか?といったことを「口コミまとめ」みたいにしてあげるとより良いかもしれません。
例えば、
「口コミ投稿者の80%の方が『丈夫だった』と言っています」
「口コミ投稿者の75%の方が『コスパが良い』と言っています」
とまとめてあげれば、丈夫さを求めている人やコスパを求めている人の目に留まるはずです。
結局、僕は口コミをぱらぱら見ながら、「この商品だったら大丈夫そうかな」と思い、購入に至りました。結果はGreatでした。
■まとめてみると
今回の購入に至るまでの経緯を簡単にまとめてみましょう。
①生活に不自由を感じ何か良い方法はないかとWEB検索
②画像をみて「なるほどこういう方法があるのか」と思い、主にブログで使い方を確認
③Line共有機能を使い、妻と情報を共有
④何を買うかの方向性が固まる
⑤検索中に知った商品キーワードで検索(今回は「押入れハンガー」)
⑥同じような商品が多数あったが、主に口コミを見て購入(今回は「丈夫」なものを探していた)
以上です。
では、この流れからどのようなWEBマーケティング手法が考えられるでしょうか。
今回のポイントとしては、
・写真
・ブログ
・Line共有機能
・口コミ
ですね。
よくWEB担当者から「ブログ、何かいたらいいかわからない、ネタがない!」という相談を受けますが、特に今回のようなエンドユーザー向けの商品を扱う場合には、利用実例などは格好のネタになりますし、SEOなどを考えた場合にもプラスですし、なにより、ユーザーに有益な情報を与える強力なツールです。
写真も面倒かもしれませんが、一工夫加えるだけで、サイトへの流入経路を一つ増やすことになりますので、是非加えたいところです。
上記内容はWEBマーケティングとくくられますが、考えようによっては先般記事にしたデジタルマーケティングとも密接に関わってくる内容です。
今は「PPCだけ」「SEOだけ」といった施策ではなかなか効果が出しづらくなってきています。それで悩んでいる会社さんもたくさんいらっしゃいます。
だからこそ…ですね。
以上です。